大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(テ)4 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人和田良一の上告理由第一点について。

論旨は、原審が被上告人(債権者)の満足を目的とする違法な仮処分申請を認容

したこと、ないしは必要性に関する疏明を尽させないでかかる仮処分申請を認容し

たことは、上告人(債務者)の財産権を不当に侵害するものであつて、憲法二九条

に違反する、と主張する。

しかし所論は、仮処分に関する民事訴訟法規の解釈適用を争うに過ぎないもので

あつて、同法規自体の違憲を主張するものではないから、特別上告の適法な理由と

はならない。

同第二点について。

論旨は、原審が本件解雇は不当労働行為であつて、憲法二八条の保障する労働者

の団結権を侵害するものであるから、公の秩序に違反して無効である、と判示した

のは、団結権との権衡のもとになされた憲法二九条の財産権の保障を無視したもの

であり、この点において憲法の解釈を誤つた違法がある旨主張する。

しかし、原判決は、憲法二八条は労働者に対し団結権・団体行動権を無条件に保

障したものではなく、正当なものに限りこれを保障したものであることを当然の前

提として、その前提のもとに、本件解雇は正当な労働組合活動を理由とする不当労

働行為であるから、憲法二八条が労働者に団結権を保障した現行法体系のもとにお

いては公の秩序に反し無効であると解釈するのを相当とする趣旨を判示したもので

あつて、この限度において、団結権の保障と財産権の保障との権衡調整を顧慮して

いることは、明らかである。所論は、ひつきょう原審の裁量に属する証拠の取捨選

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択、事実の認定を非難するかないしは法令の解釈の当否を争うに帰し、採るを得な

い。

よつて、民訴四〇九条の三、四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一

致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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